親にスマホ周辺機器を贈る前に。使ってもらえないまま終わる理由

贈る側がいちばん恐れているのは、渡しても使ってもらえないことだと思います。
先に正直に書きます。贈った方には、一人も話を聞いていません。聞いたのは、いまその機器を毎日使っている方たちで、集まった回答は50件あります。そこに並んでいるのは「買ったあと何が起きたか」です。
それはそのまま、使わなくなる理由の一覧でした。しかも理由は性能ではなく、毎日の一手間の側に出ています。確かめることは7つです。
この記事で言う「スマホ周辺機器」は、ワイヤレスイヤホン・充電器・モバイルバッテリーの3つです。
ワイヤレスイヤホンは線のないイヤホン、モバイルバッテリーは持ち歩ける充電用の電池のことです。
聞いたのは贈った人ではなく使っている人
贈り物の記事なのだから、贈って喜ばれた話が読みたい。そう思って開かれたのだと思います。ここは先にお断りします。
贈った方の話は、一件も聞いていません。ですからこの記事に「贈って喜ばれた品物」は並びません。
かわりに手元にあるのは、その機器を毎日使っている方から聞いた「買ったあと何が起きたか」です。設定でつまずいた話、落とした話、充電が切れて使えなかった話が並んでいます。
それは、そのまま使わなくなる理由です。贈る側が知りたいのは、たぶんこちらだと思います。ここから7つ挙げていきます。
残量が見えない機器は途中で使うのをやめられる
充電が切れて使えなかった、という出来事は贈る側からは見えません。ここが最初の分かれ目でした。
充電が切れて困ったという話が、別々の方から出ています。共通しているのは、残りがどれくらいかを本体では見られず、スマホの画面を開かないと分からない形だったことです。
仕事の会議で使えなかった方は、充電残量が、iPhoneの設定からしか見れないことを不便に挙げ、そのときは同僚に有線のイヤホンを借りたとのことでした。別の方も、ミーティング中に切れると非常に困ると答え、急いで有線のイヤホンに差し替えて使っているそうです。
電車で音楽が止まった方もいます。アプリにつながないと残り時間が分からず、急に充電がなくなってがっかりしたと話していました。その日は充電するものを持っておらず、聴くのをあきらめたそうです。
モバイルバッテリーでも同じでした。残量がランプしかないので何%残っているか分かりにくいですという声があり、その方は、いつ充電すればいいか分からないのでこまめに確認していると答えています。
スマホの設定画面を自分で開ける人なら、切れる前に気づけます。開けない人に渡すと、切れた日に終わります。
商品ページで見るところ残りが数字で見えるかどうかを見てください。本体に数字が出るもの、スマホにつなぐと数字が出るものなら、切れる前に気づけます。ランプの数だけで表すものは、あと何回使えるのかが読めません。 スマホにつないで電池残量を見て確かめている、という方もいます。その操作を相手ができるかどうかで、選ぶものが変わります。
箱を開けた日に設定で止まる
渡したその場で使えなければ、たいてい箱に戻ります。そしてここは、贈る側が唯一手を貸せるところでもあります。
最初の設定に時間がかかったという答えがあります。アプリを入れるところから始めた方は、アプリのダウンロード、Bluetoothの接続、初期設定、細かな音質の調整などがあったと記憶しています。概ね10分~20分ほどかかりましたと答えています。同じ方は、つなぐ手間そのものが面倒で操作は簡単なほうがよいという人には向かないかもしれない、とも書いていました。
別の方は、最初の設定が面倒なので、それができない人には向いていないとはっきり答えています。どこで止まったのかを尋ねると、なかなかスマホが検出されなかったことでした。
止まる場所は、ほぼここです。買ったばかりの機器の名前が、スマホの画面に出てこない。ここを越えれば、あとは毎日つなぐだけになります。
渡す日に一緒にやること箱を開けて、その場でスマホにつなぐところまで済ませてください。10分から20分を見ておけば足ります。つなぐ手順そのものは、このサイトの「Bluetoothイヤホンのつなぎ方」に書いてあります(この記事の最後から開けます)。 アプリが要る機器かどうかも、ここで分かります。要るなら、入れるところまで一緒にやってしまうのが確実です。
触っただけで切り替わり元に戻せない
機能が多いものほど喜ばれると考えがちですが、実際には逆に働いていました。
イヤホンには、まわりの音を消す機能(ノイズキャンセリング)と、まわりの音を聞こえるようにする機能(外音取り込み)が付いていることがあります。この切り替えが、意図せず起きるという話が何人からも出ています。
きっかけは耳のあたりに手をやる動作でした。髪をかき上げようとした時やメガネを外そうとした時に切り替わったという方がいて、別の方はマスクをつける時、耳のあたりに物が触れた時に勝手に押してしまいますと答えています。
問題は、元に戻せるかどうかです。たまに勝手にノイズキャンセリングや外音取り込みになってしまうという方は、直し方をイヤホン専用のアプリから一度、登録を抹消して再接続すると答え、かかる時間を10〜30分くらいとしています。この方は、高性能で機能が多いので機械音痴な人には向かない、とも書いていました。
操作を自分で割り当てられる機器では、覚えていられないという声もあります。どれを割り当てたか覚えておく必要があって使いこなせていない、間違えて次の曲に飛んだり音楽を止めてしまう、といった答えでした。そのときはスマホ本体から操作したそうです。
機能の数ではなく、狂ったときに戻せるかで考えてください。
多機能なものを選ぶ前に元に戻す手が相手の側にあるかを考えてください。スマホでアプリを開いて設定をやり直せる人なら、機能が多くても困りません。そうでなければ、勝手に切り替わらない機器のほうが長く使われます。 押すボタンが付いているか、画面のように触れて操作する形かも見ておいてください。触れて操作する形は、耳に手をやるたびに反応します。
ケースから出して耳に着けるまでに落とす
落として無くしたり傷つけたりすれば、そこで終わります。この動作は商品ページの写真では分かりません。
落とした話が、別々の方から出ています。小さいイヤホンを使っている方は、ケースから出すときや耳に付けるときに手からすり抜け、落としそうになったことが何度かあったと答え、いまは必ず、立ち止まってつけるようにしましたとのことです。
ケースの中の向きが原因だった方もいます。この方は歩きながらつけるので、手元はあまり見たくないんですよと話し、実際に3度ほど落としたことがあるそうです。
左右の形が違うことに気づかなかった方は、しまうときに戸惑って時間がかかったとのことでした。
ケースがすべすべしていて、ポケットから落ちたことがあるという声もあります。
手元を見ないでも扱えるかどうかが、毎日続くかの分かれ目になります。
手元を見ずに扱えるか渡す前に、ケースから出して耳に着けるところまでを一度自分でやってみてください。左右の向きが決まっているか、つまむところがあるか、ケースが滑らないか。触ればすぐ分かります。 細かいものを扱うのが得意でない相手なら、小さいものほど良いとは限りません。
耳に合うかどうかは渡してみるまで分からない
相手の耳で試せないことは、贈る側にはどうにもできません。ここも正直に書きます。
ここは確かめようがありません。耳の穴に入れる形のイヤホンは、合うかどうかが人によって変わります。
合わなかった例があります。イヤーピースをどれに替えても耳から外れやすい、という方がいました。イヤーピースというのは耳に入る先端のゴムの部分で、たいてい大きさ違いの替えが付いています。
替えて直った例もあります。あまりに良く落下するので、外れにくいイヤーピースに変更した方は、その後ほぼ外れなくなり、落ちにくさが良くなったと答えています。別の方も、サイズを変えたことで落ち着いたとのことでした。
ただし、替えてくれるとは限りません。落ちそうで集中できないという方は、落ちてしまわないか心配になって、オーディオブックの内容に集中できないことを不便に挙げながら、何か試したかという問いには、特に試したことはないと答えています。向かない人として挙げたのは、自分で落ちないように工夫をするのが面倒な人でした。
耳の大きさで合わなかった話もあります。ある方は、耳の穴が大きい人は使用中に落ちてしまうから向かないと答えていて、そう考えた理由を尋ねると私の父親がそうでしたのでという返事でした。贈った先で起きうることが、ここに出ています。
合わなかったときの逃げ道替えのイヤーピースが何種類付いているかを見てください。最初から3サイズ入っている製品もあります。合わなかったときに、その場で替えられます。 そして、替えるところまで一緒にやってください。自分では試さない方がいます。渡した日に一度着けてもらい、痛くないか、落ちないかを見るのが早い確認です。 耳の穴に入れない形(耳のふちにはさむ形や、後ろにバンドが回る形)もあります。穴の大きさで合う合わないが決まりません。ただし、はさむ形は髪に触れたときなどにずれるという声があり、そちらは「イヤホンの選び方」に書いています。
充電器は相手の家の差し込み口まで見て選ぶ
充電器なら間違いないと思われがちですが、置いた先で困ったという話がいくつも出ています。
大きさと重さが、挿した先で問題になっています。電源タップに挿して使っている方は、本体が重いせいでタップが傾いたり倒れたりすることがあると答えました。この方は足元に置いているパンチングボードにフックで固定して使っていますという対策までしています。渡された側がここまでできるかどうかです。
厚みで隣の差し込み口が使えなくなった方もいます。延長コードの3つある挿し口が、ほかの機器とぶつかって2つに減ったとのことでした。逆に、本体が縦長なので隣の口の邪魔にならないのが良い、という声もあります。同じ性能でも、形で使えるかどうかが変わります。
もう一つ、熱の話があります。USB充電器が熱くなるのが、仕様なのか危険な状態なのか、このまま使い続けても大丈夫なのか分からず困っていますという方がいました。熱くなること自体より、それが正常なのか分からないことが不安になっています。
相手の家のコンセントを思い出すどこに挿すのかを先に思い浮かべてください。壁の差し込み口か、延長コードのタップか。タップなら、重い充電器は傾きます。隣の口に何が挿さっているかも効いてきます。 温かくなることは、渡すときに一言添えてください。充電中に温かくなるという声は、ほかにも出ています。それを聞いていないと、上の方のように不安を抱えたまま使うことになります。
ケーブルが合わないとその日は使えない
本体さえ渡せば使えると思っていると、ここで止まります。実際に止まった話が複数ありました。
線が無くて使えなかった例があります。モバイルバッテリーを旅行に持って行った方は、旅行に行った際にコードを忘れたことに気づき、使用できませんでしたと答え、その日は夜まで充電が持つようにスマホの使用を控えましたとのことでした。満タンの本体を持っていても、線が無ければただの荷物です。
形が合わなかった例もあります。手持ちの線と本体側の挿し口の形が違い、必要なものを通販で急いで買って、届くまでは使わなかったという方がいました。
そもそも付いてこないこともあります。ケーブルが付いていなかったので、夫の持っていたコードで充電したという方がいました。家族に借りられたから使えた、という順序です。
付いていても使われないことがあります。付属のケーブルは15cmしかないのですごく短いですという方は、家でも外でも短すぎて使っていないと答えました。別の方も、付属のケーブルが短かったので使っていないとのことでした。
箱の中身を先に確かめる贈る前に箱を開けて、ケーブルが入っているかを見てください。入っていない製品があります。 入っていても、短ければ使われません。相手の家で、コンセントから座る場所まで届くかを考えてください。 挿し口の形も見ておいてください。相手がふだんスマホに挿している線と同じ形なら、いちばん確実です。
渡すときに一度だけ一緒に使ってみる
ここまでの7つは、渡す前に選ぶ話でした。最後の1つは、渡すときにしかできない話です。
この記事で挙げた止まり方は、ほとんどが最初の1回に出ます。つなげない、耳に合わない、着けるときに落とす、線が足りない。どれも、箱を開けて一度使ってみれば、その場で分かります。
逆に言えば、渡して終わりにすると、そのどれかが起きた時点で引き出しに入ります。しかも、使わなくなった理由を贈った側があとから知ることは、まずありません。
やることは4つです。スマホにつなぐ。残りの充電の見方を一緒に見る。イヤホンなら一度着けてもらう。線を挿してみる。ここまでで、10分から20分です。
敬老の日のように日が決まっている贈り物なら、その日に一緒に開ける時間まで含めて考えてください。敬老の日は9月の第3月曜日です。
贈るのを見送ったほうがよい場合
ここまで読んで気が進まなくなったなら、無理に贈らなくて構いません。次に当てはまる場合は、渡しても使われないまま終わりやすくなります。
- 渡したあとに一緒に設定する時間が取れない人。最初の設定に10分から20分かかったという声があり、そこで止まると箱のまま置かれます
- 相手が使っているスマホや、家のコンセントの様子を確かめられない人。挿し口の形が合わず、買い足すまで使えなかった例があります
- 耳の穴に入れる形のイヤホンを、相手の耳に合うかどうか分からないまま贈ろうとしている人。替えのイヤーピースを試しても合わなかった例があります
- 機能の多さで喜んでもらいたい人。機能が多いほど、意図せず切り替わったときに戻せなくなります
- 相手が自分で工夫して使ってくれることを前提にしている人。落ちにくくする工夫を何も試さないまま、使いにくいと感じている方がいました
何を贈るかを決める前に
確かめることが決まったら、次は品物の側です。分野ごとの選び方と、つなぎ方の手順を下に並べています。
- Bluetoothイヤホンのつなぎ方。つながらないときはここを見る
- 格安SIMが不安で踏み出せない人へ。実際に何が変わるのか
- 格安SIMへの乗り換え手順。何を、どの順番でやるか
- シニアが格安SIMに乗り換えるときの選び方
- スマホの充電器の選び方。W数の見方と、自分に必要な数字
- イヤホンの選び方。形で決まることと、形では決まらないこと
- モバイルバッテリーの選び方。容量の見方と、飛行機に持ち込むときの決まり
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